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わかくさ便り
歯ぎしりや食いしばりのマウスピースについて
歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、擦り合わせたりする癖であり、特に睡眠中に起こることが多いとされています。これらの行為は歯や顎に大きな負担をかけ、さまざまな口腔トラブルや全身症状を引き起こす原因となります。歯ぎしりや食いしばりの対策として最も一般的かつ効果的とされているのが、「マウスピース(ナイトガード)」の使用です。
○歯ぎしり・食いしばりのリスクと影響
まず、歯ぎしりや食いしばりは身体に及ぼす影響についてみてみましょう。
1.歯へのダメージ
長時間にわたる強い圧力によって、歯がすり減ったり、ひびが入ったりします。重度になると、歯の神経が露出したり、被せ物や詰め物が外れたりすることもあります。
2.顎関節症の原因に
過剰な力が顎関節に加わることで、顎の痛みやカクカクとした音、口の開閉がしづらくなるといった「顎関節症」を発症する可能性があります。
3.肩こり・頭痛・首の痛み
顔や頭部、肩の筋肉に常に力が入るため、慢性的な頭痛や肩こりの原因となることがあります。
4.睡眠の質の低下
特に就寝中の歯ぎしりは無意識に行われるため、自覚がなくても深い睡眠を妨げ、疲労感が残る原因になります。また、音が大きい場合、同居人の睡眠にも影響します。
○マウスピースとは
マウスピースは、上または下の歯に装着することで、歯と歯が直接接触するのを防ぎ、圧力を分散させる役割を持ちます。歯科では「ナイトガード」とも呼ばれ、主に以下の目的で使用されます。
・歯の摩擦や破損の予防
・顎関節への負担軽減
・筋肉の緊張緩和
・歯列の保護
・睡眠中の歯ぎしり音の軽減
○マウスピース使用時の注意点
・毎晩使用することが重要:効果を得るためには継続的に使用することが大切です。
・定期的なメンテナンス:マウスピースは使い続けるうちに変形や劣化が起こるため、半年~1年ごとの点検・交換が推奨されます。
・清潔に保つ:使用後は流水でよく洗い、週に数回は専用の洗浄剤で除菌することが望ましいです。汚れや臭いの原因になります。
・違和感がある場合は相談を:痛みや噛みにくさを感じた場合は、歯科医に調整を依頼しましょう。
○補足:根本治療も忘れずに
マウスピースはあくまで「症状を和らげる道具」であり、根本的な治療ではありません。歯ぎしりや食いしばりの背景には、以下のような要因があることが多いため、それらへのアプローチも重要です。
・ストレスや不安
・睡眠障害(いびき・無呼吸症候群など)
・噛み合わせの不具合
・姿勢の悪さや筋肉の緊張
ストレス対策(運動・呼吸法・リラクゼーション)、睡眠環境の改善、噛み合わせの調整、ボトックス治療など、個々の要因に応じた対策を歯科医と一緒に検討することが望まれます。
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